David Almond

数年前のイギリスの旅でThe Lion and Unicorn Bookshopと言う本屋さんに立ちよった時、勧められた中の一冊“Heaven Eyes”の作者の名前がDavid Almondさんです。

本の題名からして不思議で、装丁もちょっと不気味な絵でした。(ちなみに翻訳本の装丁は普通の絵でした。)

筏に乗って孤児院から抜け出したErinJanuaryMouseの3人。筏は泥地に乗り上げる。泥の上に廃工場があり、そこでHeaven Eyes という女の子とおじいさんに会う。そこから夢なのか現実なのかわからない世界になっていきます。

読んだ後、現実なのか夢なのかと不思議でなりませんでした。

もう何年も立っているのに、とても心に残っているお話です。

10月29日の朝日新聞の生活面でDavid Almondさんの名前を見つけたのですが、思いだすのに少し時間がかかりました。国際アンデルセン賞の作家賞を受賞された記事でした。アーモンドさんの言葉が印象的でした。

アーモンドさんは、7歳で妹を、15歳で父を亡くしているそうです。

「大人になる過程で、いろんな困難なことが出てくるけれど、喜びも必ずある。世界は素晴らしい声で満ちている。」

以下はHeaven Eyesの冒頭に載っていたアーモンドさんの言葉です。

Writing can be difficult, but sometimes it really does feel like a kind of magic. I think that stories are living things -among the most important things in the world. ”

 

金原瑞人さんが翻訳本を出していたようです。

翻訳もぜひ読んでみたいと思います。

金原さんのお話より。「主人公たちは、ちゃんとした言葉で表現できない部分があるにしても、自分の世界をしっかり持っている。苦しい状況でも、先の世界に心を開いている。それでいて、押しつけがましくない。」

 

The Lion and Unicorn Bookshopの店員さんのおかげで、不思議な物語の扉をあけることができたことを感謝しています。松浪エリ子