号外:てつたおじさんのニュージーランド旅行 (IBBY国際児童図書評議会オークランド世界大会に出席)

8月17日から21日の5日間、私は IBBY国際児童図書評議会のオークランド世界大会に出席してきました。この大会は、子どもの本のノーベル賞と言われている国際アンデルセン賞授与式を兼ねて、二年に一回世界各地で行われます。前回2015年のロンドン大会では、日本の作家で「守人シリーズ」の作者、上橋菜穂子さんがアンデルセン賞作家賞を受賞しました。

今回のオークランド大会のテーマは、Literature in a Multi-literate Worldです(多元的文字社会における文学)。世界70カ国から600名の参加者がありました。参加者は、子どもの本の作家、画家、編集者、図書館員、教員、メディア関係者、政府職員、大学研究者、その他子どもの本に関わるあらゆる専門家達です。オーストラリアからは50名、日本からは15名の参加がありました。大会中は、児童文学の研究発表、世界各地における読書支援活動、出版や図書館運営に関する発表やシンポジウムが連日行われました。

 私は、この大会では、これまで15年間続けてきた「メルボルンこども文庫」について、ポスター展示をしてきました。ポスターは大会中、二日間展示され、私もポスターの前に立ち、文庫のことを解説しました。私のポスターには、文庫活動の写真や小松愛ちゃんが描いてくれた「文庫の見取り図」も掲載され (添付写真ごらんください)、とても好評でした。特に、ニュージーランド、パレスチナ、タイ、ウルグアイ、メキシコ、アメリカの参加者からは、盛んに質問を受けました。メキシコ各地には、文庫が70もあるそうです。
 
大会開催中、「オークランド日本語子ども図書館」を訪問する機会もありました。これはオークランドの日系人団体が運営する文庫で、日本の自動車会社の倉庫の一室を借りて活動していました。たくさんの子どもや親御さんが集まって、本の読み聞かせや日本語教室をしていました。この他にも、ニュージーランドには、タラウンガに「キウイいろは文庫」があります。

家庭文庫は、元来日本の伝統でしたが、21世紀に入り、世界各地に何十もの児童文庫が活動する今、文庫もグローバルで多元的な時代に入ったことは確実です。遅かれ早かれ、日系人以外が運営する文庫が出現することは間違いないでしょう。